Abstract
我々はこれまで目の前の電子機器を操作する際に手や声による操作ができない状況を考慮し,片方の
ポケットにスマートフォンを入れた状態で両足のジェスチャを認識する手法を提案してきた.しかし,プロトタイ
プシステムを使用した後に回答してもらった体感認識精度が,データセットを用いて算出した認識精度から悪化す
るという問題があった.そこで,我々はその問題を解決するために認識までにかかる時間を短縮し,位置変化が与
える影響を考慮した手法の検討を行う.具体的には,認識時間の短縮では,望ましいシステム応答時間内のセンシ
ングデータを用いてジェスチャを認識する.使用するフレームを制限することで,認識精度が低下することが考え
られるため,ジェスチャを開始する直前のジェスチャデータを使用することで認識精度が向上するかを検証した.
その結果,予備動作のセンシングデータを利用することで認識精度が向上する傾向にあった.位置変化が与える影
響を考慮した認識では,ポケット内のスマートフォンの傾きを特徴量として使用することで,位置変化による影響
を低減することが出来るかを検証する.