Abstract
日常生活で我々が耳にする騒音の対策として,ヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴くことや耳栓などを利用した騒音の遮断が考えられるが,呼びかけやアナウンスに気づかず,重要な情報を聞き逃すなどの問題が発生する.この問題に対して我々は,騒音を遮断するのではなく,騒音に合った音楽を提示することで,騒音を音楽に溶け込ませて心理的に気にならなくさせるノイズキャンセリングミュージックという手法を提案してきた.我々はこれまでに,騒音のイメージに適した音楽を提示することで,騒音の音量が元々の音量より小さく認識される傾向があることを明らかにしてきた.しかし,これまでの実験では,実験監督者と実験協力者の間で,音楽から連想するイメージに相違がある場合に,提案手法の効果にばらつきがあった.そこで本研究では,音楽に合わせて適切な映像を直前に提示し,その音楽に特定のイメージを植え付けたうえで,本手法の有効性について再検証を行った.実験の結果,映像提示により,全く異なる連想をする人はいなくなり,手法の効果が強まる傾向が示された.しかし,映像刺激を画像群にし,音楽を特定の印象をもたないニュートラルなものに変更したところ,騒音の不快度を下げることはできるが,心理的な音量には変化は見られないことが示された.
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Information
Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2019-HCI-184
Pages
1-8
Date of issue
2019/07/15
ISSN
2188-8760
Citation
横山 幸大, 徳久 弘樹, 中村 聡史. ノイズキャンセリングミュージック:音楽の印象誘導による騒音の不快度軽減効果の検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2019-HCI-184, No.7, pp.1-8, 2019.
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