Abstract
ディスプレイ上の作業に集中している際に,周辺にふとした情報や通知などが表示され,それによって集中が阻害された経験をした人は少なくない.ここで,人間の視覚特性に集中することで有効視野と呼ばれる,認知に寄与する周辺視野領域が狭窄する現象が存在する.有効視野狭窄時は,得られる周辺視野領域の情報が少なくなるため,注視している対象へ集中しやすくなると考えられる.このことから,ぼやけて見える周辺視野領域をさらにぼかすようなエフェクトを付与することで,擬似的に有効視野が狭窄したような感覚を与えることができれば,集中の阻害を防ぐことができるのではないかと考えた.本研究では,集中を阻害するものとして知覚的鋭敏化が起きるようなタスクを設計し,そのタスク中にぼかしエフェクトを付与することによる影響の調査を行った.その結果,周辺視野をぼかすことで知覚的鋭敏化を抑制することが示された.また,ぼかしの強さが一定の範囲に定められているとき,知覚的鋭敏化は集中力や記憶力などに対して,良い影響を及ぼすようになることが示された.
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Information
Book title
情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2019-HCI-185
Issue
10
Pages
1-8
Date of issue
2019/12/10
ISSN
2188-8760
Citation
山浦 祐明, 中村 聡史. 周辺視野へのぼかしエフェクトによるディスプレイ上の集中妨害効果の抑止, 情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2019-HCI-185, Issue.10, pp.1-8, 2019.