Abstract
イラスト制作において,初心者が作画中や作画直後に自身の絵の作画ミスを発見することは困難である.これは,作画過程においてイラストを見続けることで生じた感覚の変化が客観視を阻害していることが原因の一つとして考えられる.これまで我々は,あえて視覚情報を制限した状態でイラストを提示することにより,可能な限り短時間での作画ミス発見を促す,イラストの部分遮蔽手法を提案し,その有効性の検証を行った.実験の結果から部分遮蔽手法が客観視に有効であることを明らかにした一方で,手法による作画ミス発見の要因と,より効果的な遮蔽方法は明らかになっていない.そこで本稿では,新たに追加した2種類の作画タスクにおける部分遮蔽手法の有効性を再検証し,前回の結果と合わせ,本手法で発見可能な作画ミスの傾向とその発見の要因,および効果的な遮蔽方法を分析した.その結果,遮蔽による制作者の意識の変化と細部の想像を促すことが作画ミス発見につながることを明らかにした.また,イラスト制作者がイラスト内でひとつの「つながり」だと認識している範囲を推定することが,より効果的な遮蔽を自動生成する際に重要であることを明らかにした.
Artifacts
Information
Book title
情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2020-HCI-186
Pages
1-8
Date of issue
2020/01/14
ISSN
2188-8760
Citation
髙橋 拓, 中村 聡史. 作画ミス発見のためのイラストの部分遮蔽手法の検証, 情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-186, No.11, pp.1-8, 2020.