Abstract
コミックは日本を代表するポップカルチャーの1つであり,多くの人に楽しまれている.多種多様なコミックが存在するが,その中には読者にとって好みの展開や描写もあれば,苦手な展開や描写もある.ここで,SFや恋愛漫画のようなジャンルなどのコミックのメインとなる内容ではなく,部分的な描写が苦手な場合,そのコミックに苦手な描写が含まれているかを読者が事前に把握することは難しい.そこで,本研究では,読者が苦手な描写を気にすることなくコミックを鑑賞するための手法を提案する.また,コミックを読みながら手軽に苦手な描写へフラグの付与が可能なシステムと苦手な描写の影響を軽減するプロトタイプシステムを開発し,評価実験を行うことで,フラグを付与する箇所や個数に個人差があることや苦手な描写への不安が減少する可能性が示唆された.