Abstract
日常生活においてやるべきタスクは多く存在している.しかし,タスクに対して負荷を感じることでタスク遂行へのモチベーションが上がらず,後回しにしてしまうという問題が生じる.我々はこれまでの研究で,やるべきタスクよりも負荷の大きいタスクを並列提示することで,やるべきタスクの負荷を軽減し,モチベーションを向上する手法を提案してきた.また,提案手法による効果を検証する実験を行ったところ,提示しなかった時よりもタスクへのモチベーションや遂行率が向上することが示唆された.しかし,この実験で用いたタスクは実験者側が用意したものであり,実験協力者が実際に抱えているタスクではなかった.そのため,実験協力者にとって必ずしも遂行する必要がないタスクも含まれているという問題があった.そこで本稿では,実環境を想定し,実験協力者が実際に抱えているタスクを対象に実験を行い,提案手法の有用性について検証を行った.その結果,提案手法の有用性は確認されなかった.一方で,緊急性のあるタスクや,手法にポジティブな印象を持つひと,馴染みのある並列タスクや特定のジャンルの組み合わせを提示された際に遂行率が向上する可能性が示唆された.
Artifacts
Information
Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2022-HCI-196
Pages
1-8
Date of issue
2022/01/04
Date of presentation
2022/01/11
Location
オンライン&アートホテル石垣島
ISSN
2188-8760
Citation
松山 直人, 中村 聡史. 実環境を想定したタスク並列提示による負荷軽減手法の検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-196, No.16, pp.1-8, 2022.