Abstract
臨場感にあふれ繊紐な表現を可能とするオノマトペは,コミック作品においても効果的な表現の一技法とし て積極的に使用されており,その効果について多くの考察がなされている. 本稿ではそのようなオノマトペがあえて使用されていない箇所に着目し,その不使用方法がもたらす意味および効果について考察した.その結果,オノマトペを使用しないことによって,使用されている箇所との差異を強調することとなり,むしろ物語における重要な箇所でオノマトペが使用されていないケースの方が多いことが明らかとなった.