研究報告

漫画内キャラクタの覚えやすさに関する基礎調査

Abstract

漫画においてキャラクタの顔や名前,印象について正確に覚えておくことは容易ではない.特に,キャラクタの顔や名前を忘れてしまうと,漫画の見返しや読み直しという形で読書を中断し,楽しみを損なってしまうことがある.我々は,読書中にキャラクタを記憶可能とする手法の実現を目指すが,それには正しく覚えられるキャラクタと覚えられないキャラクタの違いを明らかにする必要がある.そこで本研究では,登場キャラクタに関する記憶テストを設計および実施し,キャラクタの覚えやすさに影響する要因の基礎調査を行なった.具体的には,記憶テストで覚えられたキャラクタとそうでなかったキャラクタの比較と,漫画内の要素数を収集して調査を行った.結果として,正確に覚えることができていたキャラクタは読書終了直後で47.1%,3日後には32.9%であった.また,漫画内要素の出現割合や出現箇所が覚えやすさに影響している可能性が示唆された.

Artifacts

Information

Book title

第9回 コミック工学研究会

Pages

65-72

Date of issue

2023/03/06

Date of presentation

2023/03/13

Citation

櫻井 翼, 中村 聡史. 漫画内キャラクタの覚えやすさに関する基礎調査, 第9回 コミック工学研究会, pp.65-72, 2023.