Abstract
動物園や水族館において,生き物を漠然と観察するだけではその後の記憶につながらない.我々はこれまでの研究において,観察の効果を高めつつ記憶に残すことを可能にするため,腹部の模様が個々で特徴的なペンギンに着目し,ぬりえによる観察・検索手法を提案してきた.また,ペンギンの模様をぬりえするプロトタイプシステムを実装し,実験により同じペンギンについて描かれたぬりえの類似度が高くなる傾向を明らかにした.ここで,同じペンギンの腹部模様のぬりえはその模様の特徴から,手書き順序が似通うと考えられ,またそれがペンギンの特徴となり得る.そこで本研究では,動画を用いた実験と水族館での実地実験を実施し,腹部斑点の描画順をもとにぬりえの類似度を分析した.分析の結果,上部の点から下部の点にかけて描く傾向があることがわかった.また,円形に散らばった模様は左上の点から時計まわりに描く傾向が明らかになった.
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Information
Book title
信学技報 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)
Date of issue
2023/05/15
Date of presentation
2023/05/16
Location
沖縄産業支援センター
Citation
中川 由貴, 中村 聡史. ペンギン観察における腹部斑点のぬりえ順序の特徴分析, 信学技報 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS), 2023.