Abstract
デジタル端末上での手書きで用いるタブレット PC やスタイラスペンなどの電子機器は,その素材を容易に変更できないため,アナログの手書きに比べ書き心地が限定的であり,ユーザの嗜好や用途に適した機器に出会えないことが多い.その中でも,タブレットとペン先の摩擦は書き心地に大きく影響するが,従来のペーパーライクフィルムによるタブレット側での摩擦付与による書き心地改善には,視認性や操作性の問題が残る.そこで本研究では,ペン先の摩擦が手書き時に得られる感覚に及ぼす影響を調査し,その客観的評価手法として手書きのブレの妥当性を検討した.実験では,摩擦の異なるペン先を用いて,文字の筆記や図形の削除を行うタスクを実施し,主観評価と手書きのブレの相関を比較した.その結果,両タスクにおいて全体では強い相関がみられなかった一方で,個別の参加者や特定の文字においては摩擦特性が書き心地と手書きのブレに影響を与える可能性が示唆された.
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Information
Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2025-HCI-211
Pages
1-8
Date of issue
2025/01/07
Date of presentation
2025/01/14
ISSN
2188-8760
Citation
能宗 巧, 瀬崎 夕陽, 小林 沙利, 関口 祐豊, 中村 聡史, 近藤 葉乃香, 梅澤 侑己, 橋本 忠樹. 書き心地の改善に向けたペン先の摩擦が筆記のブレに及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2025-HCI-211, No.15, pp.1-8, 2025.