研究報告

星空観察における視力の差が会話に与える影響に関する調査:仮想環境での実験

Abstract

複数人で星空観察を行い,他者と特定の星や星座について会話する際,観察者間の星の見え方の違いから会話にズレが生じることがある.このようなズレが生じる要因として観察者間の視力や既有知識の差が考えられ,より円滑な星空観察における会話を実現するためには,これらを補完し会話のズレを解消する支援システムが必要である.そこで本研究では,星空観察における会話支援システムの構築を目指した基礎調査として,観察者間の視力差が会話に与える影響について調査する.星空の見える環境を仮想環境で再現し,視力の差を設けた実験参加者 2 人で星座探索タスクを通じた会話実験を行い,視力レベルごとの参加者による主観アンケートの分析や,視力差条件ごとの質問カテゴリの頻度や発話間隔といった会話内容にどのような影響があるのか検証した.実験の結果,視力の差がある環境で会話タスクを行った場合,視力の差がない環境などと比べて,「え?」の数が増加することや,質問カテゴリの頻度の増加,2 人の発話間隔が長くなることが明らかになった.

Information

Book title

情報処理学会 研究報告コラボレーションとネットワークサービス(CN)

Volume

2025-CN-124

Pages

1-8

Date of issue

2025/01/16

Date of presentation

2025/01/23

Location

奄美大島

ISSN

2758-8262

Citation

飯田 空, 中村 聡史. 星空観察における視力の差が会話に与える影響に関する調査:仮想環境での実験, 情報処理学会 研究報告コラボレーションとネットワークサービス(CN), Vol.2025-CN-124, No.9, pp.1-8, 2025.