Abstract
記憶は,人間の経験や知識を蓄積し,それを活用する能力の中核をなす重要な要素である.しかし,そのために主に行われている繰り返し学習には多くの労力と時間がかかってしまうという問題がある.我々は過去の研究にて,視線に連動して記憶対象文字列の読みやすさが変化する流暢度制御手法を提案し,実際に提案手法がハイライトを与える比較手法と比べて単語の記憶容易性を向上させることを明らかにした.しかし,これまでの実験では主に特徴記憶実験という形式を用いて行っており,情報が箇条書きで提示されていたりあらかじめ出題箇所に手法が付与されている状態であったりと実際の記憶学習とは乖離のある条件で実験を行っていた.そこで本研究では,重要だと思った箇所を自身で選択し,ぼかしによるマーキング可能とするシステムを作成し,より実環境に近い設計のもと実験を行った.その結果,実環境に近い設計でも視線に連動したぼかし深度制御を利用した場合の方がハイライトを利用した場合よりも点数が高くなることが明らかになった.
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Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2025-HCI-212
Pages
1-8
Date of issue
2025/02/26
Date of presentation
2025/03/07
ISSN
2188-8760
Citation
青木 柊八, 中村 聡史. 視線に連動したぼかし深度制御を用いた単語の記憶容易性向上システムの開発と検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2025-HCI-212, No.41, pp.1-8, 2025.
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