Abstract
コミックは多種多様な表現があるため,読者が大好きな作品であっても,そこに苦手とする描写が登場することがある.こうした表現の苦手意識は読者依存性が高いものであるため,規制するべきではないが,そこさえ読み飛ばせば問題なく読めるという読者も珍しくない.我々はこうした問題を踏まえ,読者が苦手な描写に怯えることなくコミックを鑑賞するための手法を実現してきた.しかし,これまでの手法では読者が一度は地雷と遭遇する必要があるなどの問題があった.そこで本研究では,VLMを活用した読者依存性の高い地雷表現の検出手法の検討を行う.ここでは特に,人体の異常にまつわる表現の自動検出にむけて,カテゴリごとの検出率について調査する.本研究では,コマ単位の画像をテキスト化し,そのテキストをもとに人体の異常にまつわる表現の有無や種類を判定・分類した.その結果,前のコマやページの情報を考慮した手法は,単一のコマのみを用いた手法と比較し,人体の異常にまつわる表現の検出における再現率が向上することが明らかになった.
Information
Book title
情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
Volume
2025-EC-75
Pages
1-8
Date of issue
2025/03/10
Date of presentation
2025/03/17
Location
京都大学
ISSN
2188-8914
Citation
新嶌 道大, 櫻井 翼, 中川 由貴, 中村 聡史. コミックにおける読者依存性の高い地雷表現のVLMを用いた自動検出の検討, 情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC), Vol.2025-EC-75, No.4, pp.1-8, 2025.
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