研究報告

学習者に馴染みのあるシーンの字幕英語化による意味類推を用いた英語学習支援手法の提案

Abstract

英語学習方法の一つに,第二言語で大量の映像コンテンツを視聴する多視聴という方法がある.多視聴の際には字幕提示が効果的であり,その提示の仕方によって学習効果は変わることが知られているため,本稿は字幕提示の方法に着目する.本稿は,日本人の学生を対象とし,英語音声で映像コンテンツを視聴する際に,通常時は日本語字幕,学習者にとって馴染みのあるシーンのみを英語字幕で提示する手法を提案する.我々は提案手法と従来の字幕提示手法を用いて映像視聴実験を実施し,視聴後に映像内の一部シーンの聞き取りテストと内容理解テストを行って,その正答率を比較することで提案手法の有用性を評価した.また,学習者にとって馴染みのあるシーンの字幕を英語化することが,意味類推に効果的であるか検証を行った.実験の結果,提案手法と比較手法における聞き取りテストの正答率が同程度であったが,内容が理解できた場合において提案手法では英語が聞き取りやすい可能性が考えられる.学習者に馴染みのあるシーンの内容は,そうでないものと比べて意味類推のしやすさは変わらなかった.

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Information

Book title

情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)

Volume

2025-EC-75

Pages

1-8

Date of issue

2025/03/10

Date of presentation

2025/03/19

Location

京都大学

ISSN

2188-8914

Citation

鳩貝 怜央, 木下 裕一朗, 中村 聡史. 学習者に馴染みのあるシーンの字幕英語化による意味類推を用いた英語学習支援手法の提案, 情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC), Vol.2025-EC-75, No.44, pp.1-8, 2025.