研究報告

一視点固定型ライブ映像における映像・音響表現自動付与による音楽体験拡張

Abstract

軽音楽団体でのライブ映像配信では,撮影・配信のための機材が揃っていないために一視点から撮影することが多く,またこういった映像は臨場感が伝わりづらく離脱者が多い.以前の調査では,音楽に関する漫画・アニメで用いられている視覚的表現をライブ映像の特徴的なシーンに付与することが,視聴維持率,印象の向上に有効であることを明らかにした.ここで,視覚と聴覚の情報の一致による認知,感性への効果が報告されており,映像表現に合わせて音響表現を加えることでその効果を高められるのではないかと考えた.そこで本研究では,映像・音響表現の付与による,ライブ映像視聴時の音楽体験への影響を,没入感,社会的存在感,演者への興味度を比較し調査した.その結果,どの評価軸においても映像表現を付与することが有効であることが明らかになった.また,一視点型ライブ映像への満足度が高い場合は,映像表現と音響表現を組み合わせることにより音楽体験を向上させられる可能性が示唆された.

Information

Book title

情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)

Volume

2025-EC-75

Pages

1-8

Date of issue

2025/03/10

Date of presentation

2025/03/19

Location

京都大学

ISSN

2188-8914

Citation

小川 剣二郎, 中村 聡史. 一視点固定型ライブ映像における映像・音響表現自動付与による音楽体験拡張, 情報処理学会 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC), Vol.2025-EC-75, No.45, pp.1-8, 2025.