研究報告

画像選択肢の漸次的提示における表示形式とその速度が選択に及ぼす影響

Abstract

選択インタフェースには一見公平であるように見えて,実際には表示スタイルや表示タイミングの違いによってユーザの選択を誘導するダークパターンが存在する.ここで,Web 上でネットワーク帯域に比べファイルサイズの大きな画像を表示するとき,画像が上から段階的に表示される形式(段階的表示)と画像全体が最初から表示され,時間経過とともに解像度が高くなる形式(漸次的表示)が存在する.我々はこれまで,これらの表示形式のうち前者に着目し,複数の画像を一度に表示する場合に画像の表示速度が異なることによる選択誘導効果について検証した結果,段階的表示の速度が速い選択肢ほど選択される傾向が明らかになった.本稿では,もう一方の表示形式である画像の解像度における漸次的表示に着目し,その選択誘導効果を検証した.実験の結果,前回の段階的表示と同様に他の選択肢より速く鮮明に表示される選択肢は選ばれやすいことが明らかになった.

Artifacts

Information

Book title

信学技報

Volume

125

Pages

95-100

Date of issue

2025/05/25

Date of presentation

2025/06/01

Location

沖縄産業支援センター

ISSN

2432-6380

Citation

金谷 一輝, 徳原 眞彩, 三山 貴也, 木下 裕一朗, 中村 聡史. 画像選択肢の漸次的提示における表示形式とその速度が選択に及ぼす影響, 信学技報, Vol.125, No.46, HCS2025-20, pp.95-100, 2025.