Abstract
企業の利益となるようにユーザの行動を妨害したり誘導したりするDeceptive Pattern(Dark Pattern)は,グラフィカルユーザインタフェースだけでなく,音声ユーザインタフェースにも潜んでおり,今後音声ユーザインタフェースがさらに普及するにつれて,大きな問題となる可能性がある.本稿は,新たなDeceptive Patternの一つとして言語の壁を悪用したデザインに着目し,特に,非母語話者にとっての発音容易性による選択行動の誘導に焦点を当てた.本稿では,選択肢の発話選択時に,ユーザの母語とは異なる言語の使用を強制したとき,ユーザの発話選択行動は選択肢の発音容易性によって誘導されうるか実験により検証した.実験の結果,ユーザが非母語で発話選択するとき,ユーザは発音しやすい選択肢を選びやすく,誘導できることが明らかになった.
Information
Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2025-HCI-215
Pages
1-8
Date of issue
2025/11/19
Date of presentation
2025/11/26
ISSN
2188-8760
Citation
木下 裕一朗, 中村 聡史. 非母語話者の発話選択におけるDeceptive Pattern: 英語選択肢の発音容易性による選択誘導可能性の検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2025-HCI-215, No.12, pp.1-8, 2025.