研究報告

芸術系職種における固定姿勢緩和に向けた腹圧による機能切り替え手法とその検証

Abstract

長時間の座位姿勢を伴うイラストレータや漫画家などの芸術系職種の描画業務では,姿勢の固定化による身体的疲労や姿勢の悪さから首・腰・肩への負担が蓄積しやすくなる問題がある.ここで,座位姿勢において腹部に力を入れると,姿勢への意識が向きやすい.そこで,描画中に行われるペンと消しゴムの機能切替操作に対して,腹圧を加える動作を入力操作として割り当てるUIを提案する.これにより,作業を中断せずに体幹筋群の軽度な活動を促し,良い姿勢の維持と集中力の継続を支援することを目的とする.本稿では腹圧による入力を用いた描画支援システムを構築し,従来のタッチ操作による機能切替との比較実験を行った.実験により,腹圧による入力は切替精度を保ちつつ,集中維持の両立が可能であることが示唆された.

Information

Book title

情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)

Volume

2025-HCI-215

Pages

1-8

Date of issue

2025/11/19

Date of presentation

2025/11/27

ISSN

2188-8760

Citation

成瀬 詩織, 中村 聡史. 芸術系職種における固定姿勢緩和に向けた腹圧による機能切り替え手法とその検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2025-HCI-215, No.24, pp.1-8, 2025.