学位論文

姿勢矯正に向けたスマートフォンベースの首の角度リアルタイム推定手法とその応用

Abstract

スマートフォン利用時において,スマートフォンを肩より下に置き,上から覗き込むようなうつむいた姿勢で操作してしまう人が多くみられる. 首は傾ければ傾けるほど首に対して負荷がかかるため,このような姿勢を避けることが望ましい. スマートフォン利用時のユーザの姿勢をリアルタイムに推定しフィードバックするシステムにより姿勢矯正の意識を促進できると考えられるが,既存の手法ではスマートフォンとは別にセンサを装着する必要があり導入コストが高い,ユーザの首の角度を正確に推定できていないなどの問題があった. そこで本研究では,まずスマートフォンのみを用いてユーザの首の角度を推定するために,スマートフォンのセンサと内カメラに映るユーザの画像特徴に着目した手法を提案した. データセットの構築手法についても検討し,大学生,大学院生5人から84,374件のデータを取得した. 回帰モデルを用いて学習を行い,その推定精度を検証した結果,改善の余地はあるものの一定の精度で推定が可能であることが明らかとなった. 次にユーザの姿勢矯正を促進するため,ケーススタディとして本手法を用いてユーザの首の角度をリアルタイムにフィードバックするシステムをゲームに応用した. 具体的には,姿勢が良いとスコアが上がりやすく,姿勢が悪いとスコアが上がりにくくなるようにゲームをデザインした. システムを用いたユーザスタディを実施したところ,首の角度に連動したフィードバックはゲームプレイ中の姿勢への意識を有意に高めることが明らかになった. さらに,本手法の応用可能性を検証するため,推定精度の向上を行った後,本手法を利用しやすいようにしたライブラリを用いてハッカソンを実施した. その結果,様々なジャンルで多様なフィードバックを行うアプリケーション案が得られ,実際に開発されたものの創造性に対しても高い評価が得られた. また本ライブラリを利用することで限られた時間でも満足度の高いアプリケーションが開発可能であることが示され,本手法の開発容易性や応用可能性の高さが示唆された.

Information

Book title

明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士(工学)

Date of presentation

2026/02/12

Citation

渡邉 健斗. 姿勢矯正に向けたスマートフォンベースの首の角度リアルタイム推定手法とその応用, 明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士(工学).