Abstract
動物園や水族館は教育,研究,保全といった社会的役割を担っているが,ペンギンのように来訪者の観察が群れ全体を眺める俯瞰的なものになると,個体に着目することがなく,関心や共感が高まりにくい.我々はこれまで,ペンギンの腹部模様を来訪者が描画することで個体情報を検索するシステム「ペンさく」を開発し,都市型水族館での実証実験からその有用性を明らかにしてきたが,単一の水族館での検証であり,異なる展示環境において,本システムがどのような影響を及ぼすかは明らかになっていなかった.そこで本研究では,展示環境や来訪者層の異なる掛川花鳥園において,1週間の実証実験を行い,システムの利用ログ,現地での観察記録,来訪者の行動データをもとに,利用者の観察行動を分析した.その結果,システムの利用が同行者との共同的な観察体験や個体への継続した興味につながる可能性が示唆された.さらに,過去の実験結果との比較から,異なる展示環境においてもペンさくを通じた個体観察が成立し,反復的な利用が一定数生じることが示された.
Information
Book title
情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2026-HCI-218
Pages
1-8
Date of issue
2026/06/11
Date of presentation
2026/06/18
Location
オンライン
ISSN
2188-8760
Citation
中川 由貴, 中村 聡史, 副島 慎介. ペンさく:ペンギン描画型個体識別支援システムの異なる展示環境における実証と観察行動分析, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2026-HCI-218, No.5, pp.1-8, 2026.