Abstract
イラスト制作における問題に作画ミスの見落としがある.数日後にはすぐに気付くような作画ミスであっても,作画中や作画直後には一時的に発見することが困難になるという現象がこの原因であると考え,我々はこれまでに,あえて視覚情報を制限したイラストを提示することで作画直後の作画ミス発見を促すイラストの部分遮蔽手法を提案し,その有用性を明らかにした.しかし,これまで一般のイラスト制作者における作画ミス見落としの実態は明らかになっていなかった.そこで,イラストをWebに投稿したことのあるユーザを対象に大規模なアンケート調査を行い,本研究では,現状広まっている既存手法だけでは満足に作画ミス見落としを防ぐことが難しいことなどが明らかになった.また,イラスト内のオブジェクトのパーツを分断する遮蔽が効果的であるという以前の研究の分析をもとに,入力されたイラストの内容に応じて自動で効果的な遮蔽パターンを生成する自動遮蔽システムを実装した.本システムを用いた作画実験を行ったところ,イラスト制作者が満足な作画ミスの修正が可能であったことや,既存手法で認識できなかった作画ミスの発見が達成できるなど,本システムが作画ミス見落とし防止に有効であることを明らかにした.
Artifacts
Information
Book title
情報処理学会 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
Volume
2021-HCI-191
Pages
1-8
Date of issue
2021/01/21
Date of presentation
2021/01/29
Location
オンライン
ISSN
2188-8760
Citation
髙橋 拓, 中村 聡史. 作画ミス見落としに関する基礎調査とその防止のためのイラストの自動遮蔽システムの実現, 情報処理学会 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2021-HCI-191, No.9, pp.1-8, 2021.