Abstract
化粧は生活場面に合わせて施すことが多く,その工程は様々で複雑に分岐している.ここで化粧は,複雑な化粧の手順書が自身の頭の中にしか存在しないうえ,他者に教えてもらう機会が少ないことから,我流で化粧を行い,自身のメイクに自信がない人が多く存在する.こうした問題は,化粧の工程を構造化し表現することができないことにある.そこで本研究では,化粧工程の構造化手法としてフローチャートに着目し,まずは既存のフローチャート形式を用いた化粧工程の構造化および化粧に関するアンケートを行い,フローチャートによる化粧工程の適切な表現形式について調査を行った.次に,基礎調査の結果をもとに化粧工程に特化したフローチャートを提案するとともに,構造化システムMake-up FLOWのプロトタイプシステムの実装およびその利用実験を行った.その結果,構造化により自身の化粧工程を俯瞰できることが示唆された.また,提案手法は汎用的な化粧フローチャートの作成手法として最低限の機能を有しており,化粧工程の表現手法の基礎を確立できたといえる.