Abstract
多くの水族館では,ペンギンを飼育する際にフリッパーバンドを用いて個体識別している.しかし,バンドはかなり小さいうえに,似通った色が使用されている場合も多く,一般の来園者が色を見分けることは容易ではない.本研究ではまず,複数の水族館を訪問調査し,どのような識別が行われているのか,また色の識別性からバンドによる個体識別可能性を検討した.次に,我々がこれまでに提案してきた腹部模様の描画による個体識別手法の有用性を検証するため,水族館にて我々の手法と,フリッパーバンドによる名前検索システム(ぺんたごん)を用いた観察実験を実施し,比較を行った.実験の結果から,バンドによる手法は色の判別が難しいもののエピソード記憶化できるものは記憶できること,また腹部模様による個体識別は多様なペンギンの記憶につながることや,個々のペンギンに対する関心が高まることが明らかになった.
Artifacts
Information
Book title
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集
Volume
2024
Pages
348-357
Date of issue
2024/08/26
Date of presentation
2024/09/03
Location
北海道情報大学
Citation
中川 由貴, 中村 聡史. 水族館でのペンギン個体識別法の調査と腹部模様に着目した観察手法の比較検証, エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集, Vol.2024, pp.348-357, 2024.