研究報告

ペンさく:水族館の一般来訪者を対象としたペンギン描画型検索システムの実地検証

Abstract

水族館や動物園においてペンギンは多くの来訪者に親しまれている一方で,数十羽単位で飼育されることが多く,全体を眺めるだけの俯瞰した観察にとどまりやすい.我々はこれまで,ペンギンの個体に着目した深い観察を促すため,腹部模様の描画を通じて個体を検索しながら観察するシステムを提案・検証してきた.しかし,これまでの研究は実験室環境や大学生を対象とした小規模な実験に限られていた.そこで本研究では,水族館での一般来訪者による利用を想定し,個体一覧が見られる図鑑機能や描いた個体を記録できるアルバム機能を追加したうえで,都市型水族館において6日間の実証実験を実施した.期間中,展示前に設置したQRコードを通じて167組の来訪者がシステムを利用し,ペンギン個体への関心の高まり,展示場での滞在時間の増加,個体名を用いた会話の促進などが確認された.

Artifacts

Information

Book title

情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)

Volume

2025-HCI-214

Pages

1-8

Date of issue

2025/08/27

Date of presentation

2025/09/03

Location

北海道科学大学

ISSN

2188-8760

Citation

中川 由貴, 中村 聡史, 芦刈 治将, 板東 恵理子, 與倉 陵太, 渡邉 果南, 岩永 七海. ペンさく:水族館の一般来訪者を対象としたペンギン描画型検索システムの実地検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2025-HCI-214, No.6, pp.1-8, 2025.